ポンピングアウトとはもうさよなら!? 放熱ゲル材「熱ゲル・熱ゼロ」のご紹介

熱ゲル及び熱ゼロは薩摩総研株式会社が製造する熱を伝えるシリコン系樹脂材です。
1、熱ゲル、熱ゼロの特徴
熱による収縮膨張により、放熱材が変形してすき間にボイド(気泡)が発生したり、材料が押し出されたりする現象のこと。
・グリースVS熱ゲルVS熱ゼロ
2、熱ゲル、熱ゼロの物性
熱ゼロ、熱ゲルともカスタム対応が可能です。
表に記載のない製品でもご希望の熱伝導率、粘度、BLT(Bond Line Thickness:塗布厚み)に合わせて提案可能です。
熱ゼロはさらにポットライフ(液の混合後、使用可能な時間のこと)や硬化条件もカスタムすることができます。
3、熱ゼロ 特性、信頼性検証試験
①伝熱試験
〈試験方法〉
IGBTのベースプレートとヒートシンクの間に、他社製サーマルグリスと熱ゼロ(T831-1、T831-7)をそれぞれ塗り、架電圧状態で動作させた際の温度上昇を比較した。
T-831-1(導電型)試験結果
T-831-7(絶縁型)試験結果
〈試験結果〉
温度(Y軸)が高いほど、また、時間(X軸)が短いほど、早く伝熱しており、熱伝導効率が高い。
T831-1(導電型)、T831-7(絶縁型)とも、最も熱伝導効率が高い結果となった。
②信頼性試験
〈試験方法〉
他社製シリコーングリースと熱ゼロ(T831-3)をそれぞれアクリルプレートとアルミプレートの間にはさみ、ペルチェ素子のオン/オフによる温度サイクルを用いて、ポンプアウト性を確認する。
オン/オフの間隔は1分間×720サイクルで試験した。
熱ゼロ(T831-3)試験結果【図1】
他社製シリコングリース(未架橋)試験結果【図2】
〈試験結果〉
他社製サーマルグリスはポンピングアウトによる樹脂の流出が確認され、経時劣化により信頼性に問題が発生することが確認された。【図2】参照。
一方で熱ゼロ(T831-3)はほとんどポンピングアウトが起こらず、硬化後の樹脂には十分な柔軟性と伸張性が維持されており、界面密着性が保たれている。【図1】参照。
4、使用事例
熱ゼロ、熱ゲルともサーマルグリスの代替として、下記用途に適しています。
5、熱ゲル、熱ゼロの問い合わせはSDSへ
薩摩総研の熱ゲル、熱ゼロに関するお問合せ、仕様確認、ご相談は、代理店であるSDSへお寄せください。
仕様書PDFは下記お問合せフォームからご用命ください。